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研究の概要


主な研究テーマの概要


1.脳精神・神経疾患と細胞機能異常

 
脳が持つ多彩な機能の発現の分子基盤は、神経細胞が持つ神経伝達物質による神経細胞同士のネットワーク形成にあります。神経細胞が互いに情報を正しく伝えることにより、私たちの行動や精神活動が正常に維持されています。様々な脳の病気は、これら神経細胞間の情報伝達システムの障害、機能異常により起こります。そのため、神経細胞が持つ情報伝達機能を明らかにすることが、脳の病気の治療には欠かせないことです。
 次の脳疾患についての研究を進めています。
   (A)統合失調症の病態・病因の解明と新規治療戦略の開発
   (B)薬物依存形成の基礎的研究と薬物依存治療法の開発



2.神経伝達と受容体機能

 
脳の機能を維持するために重要な神経伝達の重要な担い手である、「神経伝達物質」と「受容体」の分子認識機構の解明により、新たな治療薬の開発を目指しています。数多くの神経伝達物質の中でも、私たちは、脳神経・精神機能と深く関わりのある、ドーパミン、セロトニン、グルタミン酸(NMDA)受容体、そしてある種の幻覚剤(ベンゾモルファン類)が作用するとして見つかったシグマ受容体について研究を進めています。これらの受容体機能は、統合失調症や薬物依存形成に重要な役割を果たしていることが考えられています。
   (A)シグマ受容体機能
   (B)NMDA受容体機能
   (C)ドーパミン受容体機能
   (D)セロトニン受容体機能
   (E)アミノ酸トランスポーター機能



3.環境ストレスと神経細胞毒性、神経変性疾患

 
様々な外的環境ストレスは、脳の病気の多くの原因ないしは危険因子の一つと考えられています。このような環境からの外的ストレスは、脳神経細胞へのストレスとして直接あるいは間接に神経細胞に障害を与えることが指摘されています。このような生体内ストレス分子として、活性酸素種や一酸化窒素(NO)が代表的な分子として働いています。
 私たちは、NOがドーパミン神経細胞に選択的に細胞障害を与えていることをつきとめました。このNOによる神経細胞死の誘導について研究を進めています。さらにはこの細胞死に対して抑制作用を示す物質の検索も進めています。
   (A)一酸化窒素(NO)による神経細胞毒性
   (B)神経成長、神経発達とその異常、障害:薬物、環境毒素の作用
   (C)パーキンソン病の病因・病態とNO動態:新規動物モデルの開発


【研究室の主な実験手法】

 
●生化学実験(酵素化学実験、タンパク質分離・精製・測定など)
  ●薬理学実験(in vivo 動物実験、受容体結合実験など)
  ●分子生物学実験(mRNA測定、クローニング、ISH組織染色、単一細胞
               RT-PCR、cDNAアレイ解析など)
  ●組織化学染色、免疫組織化学実験
  ●培養実験
  ●分子機能解析実験(アイソトープ実験、トランスポーター機能解析など)
  ●動物行動実験
  ●in vivo 脳透析法(マイクロダイアリシス)(神経伝達物質測定)
  ●生体物質分析(HPLC分析、神経伝達物質、薬物、生体物質)
  ●アイソトープ実験(オートラジオグラフィーなど)